循環流動層技術の実用化と循環流動層石炭燃焼技術の現状

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平間利昌
1992年3月 北海道工業開発試験所報告 54,9-24

 広い意味での循環流動層には,K-Kプロセスのように複数の気泡型流動層間をたすき掛けの移送管で結び,その移送管を通して粒子が循環するタイプ(2塔循環型),および気泡流動層の内部あるいはスプラッシング・ゾーンに粒子の動きを規制する案内板などを設け,さらにガス空塔速度を意識的に不均一化することによって粒子の内部循環を行うタイプ(内部循環型)と,粒子の終末速度以上のガス速度での高速操作を前提にした外部循環型のものがある。 ここでは前2者を除いた高速操作の循環流動層を対象にする。
 粒子の外部循環を前提にした高ガス速度での流動操作の概念は,1930年代にスタンダード・オイル社が取得した特許に始まる。 そして,同社が1942年に稼動したアップ・フロー型のFCC(流動接触分解)プロセス1号機がこの概念を応用した最初の実用プラントといわれる。 その後,南アフリカのサソール(Sasol)社がフィッシャー・トロプシュ合成に用いたSynthol反応器(1955年,ケロッグ社の開発)を経て,近年のライザー型FCCプロセス(残油の流動接触分解プロセスを含む)へと,循環流動層(以下,CFBと呼ぶ)の歴史はまず石油化学工業を中心に築かれて来た。 一方,1960年末から1970年代の初頭にかけてドイツのルルギ(Lurgi)社とVAW社が共同開発したAl(OH)3の焼成プロセスがその後の石油化学工業以外の分野へのCFB実用化のさきがけとなった。 少し遅れて1979年にフィンランドのアールストローム(Ahlstrom)社がCFB方式による泥炭の燃焼装置(CFBC),引き続いてルルギ社が石炭のCFBCを実用化した。 これを契機にして,世界的にCFBC実用化の機運が高まり,現在,CFBCは新設石炭ボイラーの主流を占めるようになっている。 また,最近のCFBへの関心や研究もこのCFBCの発展に触発されて進められているといえる。
 本総説では. CFBが現在どのような分野で実用化され,またどのような新しい分野への開発研究が行われているかをまず概観する。 さらに,石炭ボイラー用のCFBCの特徴や機能などについて詳しく解説する。