籾殻灰からのSiCl4の製造(第2報)…アルカリ及びアルカリ土類金属塩の籾殻,燃焼灰の塩素化反応に及ぼす添加効果…

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奥谷猛/ 中田善徳/ 石川和裕/ 武田健次
1992年7月 北海道工業開発試験所技術資料 14,36-36

 籾殻中に含まれるシリカは,鉱物のSiO2よりは高活性であることが知られている。 我々は,このことに注目し,籾殻中のSiO2から1000℃以下の温度の塩素化によりSiCl4を製造する研究を行っている。 前報では,籾殻の不活性ガス中での熱分解により製造した籾殻くん炭(SiO2とセルロースの不活性ガス中での熱分解により生成したCとの混合物)の塩素化反応により,900℃で約80%のSiO2がSiCl4へ転化することを明らかにした。
 籾殻に含まれるSiO2を利用する場合,集荷が問題となる。 現在,籾殻中71〜87wt%のセルロース等の有機質は燃料として東南アジア地域で利用されている。 従って,籾殻灰が多量に入手し易くなってきた。
 本研究では,籾殻燃焼灰を効率よく塩素化し,SiCl4を製造することを目的とし,Si-O結合を切断したり,SiO2と反応しやすいアルカリ及びアルカリ土類金属塩を籾殻燃焼灰に添加し,SiO2に対する添加効果について検討した。 実験は,籾殻の燃焼残渣である籾殻灰をカリウム化合物のようなアルカリ及びアルカリ土類の添加物の共存下,600〜1000℃の温度範囲で塩素化した。 これらの添加物は,塩素化状態下では,塩化物に変化していた。 カリウム化合物は籾殻灰の塩素化反応を促進した。 他のナトリウム,マグネシウム,カルシウムなどのアルカリ及びアルカリ土類化合物は,塩素化反応を阻害した。 SiO2の塩素化に対するカリウムの促進効果は,SiO2格子中のK+イオンの拡散がSiO2格子の乱れを引き起こし,塩素などの塩素化反応種(塩化炭素)がSiO2格子中を拡散しやすいためであると推定することにより説明された。 他の元素の阻害効果は,SiO2格子の乱れがないことで説明された。 なぜなら,それらの元素のイオン半径は,K+のよりも小さいからである。 また,SiO2とCの接触点を塩化物の溶融物がおおってしまうために阻害効果がであるものと推定された。