籾殻からのSiO2の製造及びその性状

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中田善徳/ 鈴木正昭/ 奥谷猛/ 菊地昌伸/ 秋山健夫
1992年7月 北海道工業開発試験所技術資料 14,34-34

 籾殻は,もともと腐れにくいことから,堆肥など,田畑に還元することも困難であり,農業用資材として簡単な利用の他,有効に利用されていないのが現状である。 一方,籾殻中のSiO2は,石英やケイ石などと異なり,反応性がよいという特徴を利用して,SiCウィスカー,金属シリコン,人工石英ガラスなどの原料としての四塩化ケイ素の製造の研究が行われている。 しかしながら,籾殻中のSiO2を利用してウィスカーなどの製造の研究が行われているにもかかわらず,このSiO2について詳細に検討された例は少ない。 最近,バイオマスの有効利用として,籾殻中に71〜87wt%含まれるセルロース等の有機質を燃焼して,熱源や発電に利用する試みが多くなり,灰(SiO2)が大量に排出されるようになった。 本研究では,籾殻中のSiO2の有効利用のための基礎的知見を得るのを目的として,籾殻中に71〜87wt%含まれるセルロースなどの有機質を燃焼により取り除いた後の灰の化学成分,結晶相の同定,表面積,形態などの性状と燃焼温度の関係について検討した。 また,市販のSiO2試薬とも比較した。
 400-1500℃の籾殻の燃焼により得られた灰の性状を調べた。 図に示したように籾殻中のSiO2は籾殻の外及び内表皮に局在していた。 籾殻粉末(粒径125μm以下)の800℃以下の温度での燃焼により生成した籾殻灰中のSiO2は非晶質であった。 この灰の平均20μmの径を持つ粒子は2-5μmの径の小粒子の集合体であった。 900℃以上の燃焼温度では,籾殻灰中のSiO2はクリストバライトと少量のトリジマイトから成っていた。 灰の粒子表面は熔融し,粒子は互いに結合していた。 粒径は40-60μmであった。 籾殻灰中に含まれているカリウムがSiO2粒子表面の熔融を引きおこし,非晶質SiO2からクリストバライトへの結晶化を促進することがわかった。