南国農産廃棄物カサーバ・バガスのガス化
三浦正勝/ 新川一彦/ 西崎寛樹/ Arida,V.P.
1992年7月 北海道工業開発試験所技術資料 14,27-27
石油危機,省エネルギー,資源節約のため植物資源や廃棄物をエネルギー変換し,有効利用することは世界的な研究課題の1つでもある。
本報は,国際研究協力事業の一環として部市及び産業廃棄物の熱分解による資源化についてフィリピン国と共同研究を行い,フィリピンのセルロース系の産業廃棄物であるCassava Begasseの水蒸気によるガス化実験(545〜920℃)をNational Institute of Science and Technology(NIST)で行い,その研究結果をまとめたものである。
流動層は,内径60mm,高さ530mmののステンレス製,分散板は孔径1mm,開孔比2%である。
流動化ガスは,水蒸気を用いた。
ポンプで水を約210℃のoil bath中に供給し,その後の流通経路をヒータで300℃以上に加熱して水蒸気を発生させた。
試料の供給は回分式で行い,1回の供給量は5gまたは10gとした。
実験温度は610〜920℃である。
試料はホッパーのボールバルブの開閉により瞬時に供給し,その後発生するガスはTedler bagに捕集し,ガス量は体積膨張によって排除した水量から求めた。
高温ほどガス生成量は増加する。
ガスの総収量は,ガス化温度によって異なるが原料1g当り0.2〜1リットルであった。
CO,CH4,H2などの可燃性ガスを60%以上含むガスは,点火による燃焼テストは良好である。