木質系廃棄物の利用法に関する研究(2),木材を原料とする粒状活性炭の製造

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野田良男/ 山田勝利/ 石橋一二/ 斉藤勝/ 峰村伸哉
1992年7月 北海道工業開発試験所技術資料 14,22-22

 多量の木質系廃材処理法の一環として,出発原料である木材を用い流動法による活性炭の製造を試み,基礎資料を求めた。
 本報では,活性炭の汎用化を考慮して粒状活性炭の製造法について検討した。
 試料は,トドマツ,カラマツ木炭の微粉したものをそれぞれ調製し2種類の試料を用いた。  調製した炭化物は,造粒試験用バインダーとしてパルプ廃液,ワットルタンニン木タール及び軟質ピッチを用いてヘンシェル型混合機及びターンテーブル型造粒機で造粒した。
 賦活方法は水蒸気を賦活ガスとした流動賦活装置で賦活し,物性,吸着性能を調べた結果以下4点のことを確認できた。
1)4種類のバインダーによって造粒した炭化物のかさ密度[ρb]は0.45〜0.50g/mlであり,炭化物収率は[Y]およそ88.00%であった。
2)賦活温度850℃,900℃での賦活時間[θ]と造粒炭化物の重量減少率は,賦活時間の増加とともに直線的に減少した。
3)各賦活生成物のメチレンブルー吸着量と内部表面積値は,かさ密度と収率ともに相関が認められた。
4)バインダーは,パルプ廃液,木タール,ワットルタンニンを用いた造粒物の賦活生成物は性能が優れており,特に木材の炭化(薪炭工業・炭窯)時に副生成物として得られる木タールは,副生成物の有効利用およびコストが安価であるため有用と考えた。