木質系廃棄物の利用法に関する研究(1),木材を原料とする活性炭の構造
野田良男/ 山田勝利/ 石橋一二
1992年7月 北海道工業開発試験所技術資料 14,21-21
都市ゴミ中に占める木質系廃棄物の量は年々上昇している。
この中で建築用廃材の量は増加の一途を辿っている。
例えば札幌市だけでも約7万t/年もの廃材が排出され,大部分は未利用のままである。
このため国土の狭い我が国では,埋立てによる処理は,環境保全上からも問題が多く,首都圏等においても緊急課題の一つとして検討されている。
当所では,これまで長年,廃棄物処理の研究を進めているが,この中で工業用吸着剤,廃タイヤ処理技術等多くの研究が報告されている。
本研究では,廃材の出発原料である各種木材について,高付加価値化を目的に工業用吸着剤の製造方法について検討し,廃材処理法の基礎資料とした。
原料は建築用材として多量に使用される北海道産トドマツ,ブナ等6種類と輸入南洋材2種類を用いて,流動化法による活性炭製造方法について調べた。
この実験結果から,収率・性能等から建築廃材について利用の可能性が高いことがわかった。