熱天秤による北海道産木材の熱分解特性
野田良男/ 石橋一二
1992年7月 北海道工業開発試験所技術資料 14,20-20
北海道産木材24種の芯材部を熱天秤を用いて熱重量分析(TG-DTA)を,窒素ガス気流中で室温から900℃まで求め,木タール量および炭化物収量について調べた結果下記の点が明らかになった。
1)木タール量は,広葉樹で42.1〜67.8%,針葉樹47.0〜51.3%,南洋材39.8〜55.4%であった。
2)広葉樹の科で分類したブナ,バラ,マメ科は他のカバノキ,カエデ,ケヤキ科に比べ炭化物収率はやや,高い傾向を示した。
また,針葉樹と広葉樹の炭化物収率を比較すると,針葉樹がやや高い値が得られた。
3)各試料とも,木タール量は42.0〜68.0%であるため,その有効の利用が今後の課題である。
またTG-DTA曲線より求めた各温度での炭化物収率は,活性炭製造用原料の熱分解操作条件に重要な基礎資料になるものと考えた。