木質材料廃棄物を原料とする流動化法による活性炭の製造法に関する研究(第1報)

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石橋一二/ 野田良男/ 細田英雄
1992年7月 北海道工業開発試験所技術資料 14,14-14

 輸入品目第2位(3,500億/年)に達した木材は,目的製品の生産に重点がおかれるため,原木の30%におよぶ廃棄物処理法が重要な問題となっている。 これら廃棄物利用法の一環として,我々はこれら廃材を公害防止の目的から,公害防止用資材として注目されている活性炭製造法について検討した。 活性炭は従来,ガス,溶剤,などに優れた吸着性を有している。 我々は従来から,各種の原料から流動化法による活性炭の製造を行って来た。 通常ガス吸着性を有する活性炭と,液相用活性炭に分類した場合に分け方はなく,たとえば液相用としては単に表面積が大きいばかりでなく,吸着質の分子径を考慮した細孔を有することも必要な条件である。 しかしながら活性炭は,原料の種類や,炭化,賦活工程によって著しい性能の差もあり,かつ,特定の性能値が良好であっても,基礎研究から工業化に至って目的製品が得られないこともある。 このことは製造条件と活性炭の物性,また原料の安定供給,工業化への装置配慮などに関連した研究が少ないためである。 我々は石炭系を初めとする各種原料について,流動化法による炭化,賦活試験を行った。 特に炭化方法は,空気を使用した燃焼熱により温度を制御した方法をとり,簡単で非常に経済的な方法である。 さらに流動賦活により,パルプ廃棄物中の樹皮,および鋸屑などからヤシガラ炭をしのぐ,内部表面積2,000m2/g,メチレンブルーでは500mg/g以上の活性炭を得ることができた。