廃自動車ダストの処理と有効利用

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出口明/ 新川一彦/ 細田英雄/ 武内洋
1992年7月 北海道工業開発試験所技術資料 14,2-2

 廃棄された自動車処理にはシュレッダーマシンを用いた大規模な粉砕処理が行われ,良質な鉄骨が回収される一方で,プラスチック,ゴムなどが主体とするシュレッダーダストが年間に約100〜120万トン発生している。 ダストを単に燃焼処理すると塩化水素などの有害ガスが高濃度で発生することと,処理コストの面から現状では埋立処理が行われているが,埋立地の確保が困難であり,なんらかの処理技術の確立が緊急の課題である。
 そこで,ダストからのエネルギー回収が可能かを調べるためにダストの工業分析を行ったところ,試料によって違いはあるが可燃分である揮発分と固定炭素分は合せわせて53〜67%で,発熱量は3,600〜5,200kcalであり,焼却あるいはガス化の原料として扱えることがわかった。 本稿では,流動層を用いたダストの部分燃焼ガス化および発生ガスによる発電の研究概要について述べる。