微粉流動層の流動化
千葉繁生
1992年11月 ケミカルエンジニアリング 37,33-40
重力場での固体粒子の流動化は,容器内の流体の上向き流れによって粒子が浮遊している状態である.
一般に流体速度の増加に伴って,気泡界面が明瞭な気泡流動状態あるいはスラッグ流動状態から,乱流さらに高速流動状態と呼ばれるもはや気泡の形が認められない状態,そして希薄輸送状態へと流動の様式が変化する.
目的に応じてこれらの流動状態を実現する装置形式および操作条件が決まり,多種多様の固体粒子が流動化の対象になっている.
粒子を円滑に,しかも安定に流動化できれば,従来の流動層の特徴および機能を生かした応用はますます広がると考えられる.
素材粉体の流動層プロセッシングもその1つであり,従来の“微粒子”(おおよそ20〜200μm)よりもさらに微細な付着・凝集性の強い微粉体がその対象になってきている.