籾殻灰からSiCl4の製造(第2報)
-アルカリ及びアルカリ土類金属塩の籾殻燃焼灰の塩素化反応に及ぼす添加効果-

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奥谷猛/ 中田善徳/ 石川和裕/ 武田健次
1991年4月 日本セラミックス協会学術論文誌 99,315-319

 農産廃棄物である籾殻には,稲の種類,気候,地理的条件により,13〜29wt%の無機物と71〜87wt%のセルロースなどの有機物からなっている. 無機物には,87〜97wt%のシリカ(SiO2)とアルカリ金属化合物及びそのほかの微量成分が含まれている. このシリカは,鉱物のSiO2よりは高活性であることが知られている. 著者らは,このことに注目し,籾殻中のSiO2から1000℃以下の温度の塩素化によりSiCl4を製造する研究を行っている. 前報では,籾殻の不活性ガス中での熱分解により製造した籾殻くん炭(SiO2とセルロースの不活性ガス中での熱分解により生成したCとの混合物)の塩素化反応により,900℃で約80%のSiO2がSiCl4へ転化することを明らかにした.
 本研究では,籾殻燃焼灰を効率よく塩素化し,SiCl4を製造することを目的とし,Si-O結合を切断したり,SiO2と反応しやすいアルカリ及びアルカリ土類金属塩を籾殻燃焼灰に添加し,SiO2に対する添加効果について検討した.