ヘテロ化合物の分離に関する研究(IV)
-微量有機酸素定量分析装置の開発-

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吉田忠/ 横山慎一/ 前河涌典/ 神田保生
1991年9月 燃料協会誌 70(9),927-929

 石炭液化ナフサには、窒素および硫黄化合物と共に高濃度の酸素化合物が含まれているが、揮発性試料中の酸素濃度を分析できる装置は極めて限られているのが現状である。 近年市販されている酸素分析装置は固体試料用であることが多く、カプセルを用いた封入による液体試料の分析も可能であるが、実際には分析操作にかなりの熟練を要する。 これらの分析装置の測定原理は、試料中の酸素を白金炭素粒上でCOに転換し、これを赤外検出器で測定したり、あるいはCO2に酸化して熱伝導度検出器(TCD)で測定する方法を採用している。 しかしこれらの検出法は、装置が高価であったりあるいは低感度であるなどの問題があり、しかも酸素分析だけの装置としては高価すぎる欠点を有する。
 本研究では、ナフサのような高揮発性試料を対象とした酸素分析装置の開発を目的として、簡便で高感度かつ低コストで製作できる装置を開発したので、その概要について報告する。