比重分離炭のガス化
北野邦尋
1991年3月 平成3年度北海道開発工業試験所研究成果発表会要旨集 p40-43
周知の如く石炭は均質な化合物では無く、微小組織の集合体、あるいは有機・無磯化合物の複雑な混合物と考えることができる。
そこで石炭から、必要な部分のみを取り出して利用しようとする試みが従来から行われてきた。
最近では、石炭液化反応器の効率向上や、無機物の析出等のトラブル防止策の一つとして、従来製品として市場で取引されている石炭を更に脱灰して液化原料とするコールクリーニング法の導入が検討されている。
コールクリーニング法の一つである比重分離法では、原料石炭を低比重成分(精炭)と高比重成分(以後、二号炭)に分離し、精炭を液化原料として用いる。
しかし、二号炭は一般に“低品位”とされ石炭転換プロセスの原料として適していないと考えられている。
石炭の総合利用効率向上の観点からは、二号炭の何等かの利用法の開発が必要と考えられる。
本研究では二号炭をガス化原料とすることを想定し、そのガス化反応性について検討した。