レアメタル湿式製錬用剤の開発に関する研究
-アルキル置換フェニルヒドロキシルアミンによるアルミニウム(III),ガリウム(III),インジウム(III)および鉄(III)の抽出平衡-
緒方敏夫/ 中川孝一/ 原口謙策
1991年3月 北海道工業開発試験所報告 53,18-20
1980年代の技術革新に伴いガリウムは半導体,光学材料あるいは磁気バブルメモリー等へとその利用は拡大し,現在では我が国は世界のガリウムの消費量の半分以上を消費している。
しかしながら,ガリウムを主とする単独鉱床は世界的にも知られておらず,銅,鉛,亜鉛などの鉱石,およびアルミニウム生産用ボーキサイトにわずかに含まれ,これらの金属の製錬過程で回収されているのみである。
したがってガリウムの効率的分離,濃縮技術の確立は緊急を要する。
本章では,本研究で得た新規溶媒抽出分離剤R-PHA類のガリウム抽出分離剤としての可能性を検討するため,鉄(III),アルミニウム(III),インジウム(III)およびガリウム(III)のR-PHAによる抽出平衡について調べた。