レアメタル湿式製錬用剤の開発に関する研究
-レアメタルの利用と問題-

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原口謙策/ 緒方敏夫/ 中川孝一/ 石橋一二/ 伊藤三郎
1991年3月 北海道工業開発試験所報告 53,1-3

 近年の先端技術産業の著しい発展を支える種々の高機能性材料の開発において,レアメタルは材料の新機能発現の中核的役割を狙うものとして注目されている。
 レアメタルは半導体関連,オプトエレクトロニクス関連の電子材料,原子力関連材料,特殊合金,ファインセラミックス材料,超電導材料,あるいは化学触媒材料などとして広く利用されている。 このようにレアメタルは現在の先端技術産業および今後の発展に欠くことのできない資源であるといえる。 最近,レアメタルの機能材料としての利用の現状と次世代材料素材としての利用の展望を調査した結果に基づき,21の主要なレアメタルが選択された。
 多くのレアメタルはその本格的利用の歴史も浅く,物性の未解明の部分も多いが,今後の基礎的研究の成果と相まって,その需要は飛躍的に伸びるものと予測される。 例えば,ガリウムは超LSI,発光ダイオードなどに利用されるが,西暦2,000年の需要規模は現在の約100倍,リニアモー夕ーカー. 核磁気共鳴医療機器などに利用されるニオブは約40倍,ニッケル,コバルトにおいても約3倍と予測されている。 レアメタル全体では2,000年の市場規模は,1兆7千億円と,現在の約3倍,そのうち,新素材用は5千4百億円と,現在の15倍にもなるといわれる。