熱油処理による泥炭の脱水とカロリーアップ方法
田崎米四郎/ 細田英雄/ 弓山翠/ 本間専治/ 北野邦尋/ 千葉繁生/ 武田詔平/ 富田稔/ 河端淳一/ 鈴木智
1991年3月 北海道工業開発試験所報告 51,23-28
従来,泥炭の脱水・乾燥法には天日乾燥法と機械的脱水法等がある。
天日乾燥は長時間と広い場所を必要とし,一方,機械的脱水法は,泥炭に含まれるコロイド状の水分を除去することが難しいため,約50%が脱水限界といわれている。
著者らは,先に小規摸かつ簡単なプロセスで泥炭のエネルギー化を図る方法について検討を行った。
この方法では,まず泥炭の脱水にスクリュープレスと水蒸気加熱を組み合わせ,一工程で含有水分を50%以下に低減する。
この脱水された泥炭に廃食用油を吸収させて、発熱量の高い泥炭と油の混合燃料を作り,これを流動層燃焼,あるいはガス化発電などの原料として利用する。
しかし,この方法では脱水と油の吸収を別々の工程で行わなければならない。
著者らは,採掘したままの泥炭を温度100℃以上の廃食用油と接触させ,泥炭の脱水・乾燥・油の吸収の三工程を一工程で行いカロリーアップする新しい方法について検討した。
ここではその結果について報告する。