核磁気共鳴装置で何がわかるか
吉田忠
1990年10月 北海道通産情報 45(10),74-75
自然界の有機化合物の大部分は炭素と水素でできているが,この炭素と水素がどの様な配列で互いに結合して化合物を形づくっているか,すなわちその化学構造を明らかにすることは,その化合物の合成やあるいはその性質を理解するうえで非常に重要である。
ここで紹介する核磁気共鳴装置(NMR)は,有機化合物を構成する炭素,水素などの結合形態を分析する装置であり,有機化学分野で研究を行う人達にとっては鍋や釜に相当する最も基本的な装置の一つである。