地球温暖化と雲物理現象研究会

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河端淳一
1990年8月 北海道通産情報 45(8),52-53

 雲は上空の風によって動きますので,雲による観天望気は昔から行われています。 また,非常に単純化してみますと,高度数キロメートルの雲の温度はマイナス何十度という低温で,非常に小さい雪の結晶(氷晶)がたくさんあります。 これが落下する過程で回りの水蒸気を凝結し,また過冷却雲粒を補足して成長します。 従って,降ってくる雪の大きさ,形を観察することによって上空の温度,湿度など大気の状態を知ることができますので,中谷宇吉郎は「雪は天から送られた手紙である」という有名な言葉を残しています。
 「雲物理学」は雨や雪に関する学問で,中谷宇吉郎の人工雪の実験がその原点とされています。 今日の雲物理学は逆に雲の中の状態を観察して,雨や雪がどう降るかを推定しようとしたり,地球規模の気象の変化への雲の影響を予測しようとする段階にまで来ています。