寒冷地用ヒートポンプ用大気採熱量の研究

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武内洋
1990年3月 北海道通産情報 45(3),56-57

 本州で用いられているような空気熱源方式のヒートポンプシステムを積雪寒冷地で利用する場合,蒸発表面に大気中の水分が凝結し着霜現象がおこり,熱交換器の性能が低下してしまう。 空気以外の天然の熱源としては,地表水,湖沼,地下水あるいは海水といった水熱源と地熱源があげられる。 ところが,両者とも限られた地域のみで利用できることがほとんどで,熱源としての一般性は薄い。 このような背景から,蒸発器表面に着霜のおこらない大気採熱技術の確立が必要となる。
 本稿では,すぐれた除霜能力を有し,圧力損失が比較的小さい粒子循環型熱交換器の概要と大まかな特性を紹介する。 さらに,実験室規模の粒子循環型熱交換器をスケールアップして,10kwのヒートポンプシステムの大気採熱器を設計・試作し,冬季間札幌市内でフィールド試験をおこなったので紹介する。