石炭変換排水中に含まれる有機化合物の微生物分解性

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横田祐司/ 石崎紘三/ 田中重信/ 松山英俊
1990年3月 北海道工業開発試験所報告 50,61-69

 石炭液化の開発研究は現在盛んに行れており,国内における実験プラントも石炭処理量2.4t・d-1までスケールアップされてきている。 また,実証プラントでは250t・d-1が計画されており,さらに将来大規模な実用プラントが稼動するようになれば,それらのプロセスから大量に生ずる排水への対策が重要な問題になると考えられる。 石炭液化は複雑なプロセスを含んでいるために排水の発生源も多岐にわたっており,それらの組成はそれぞれによって異っている。
 現在,これらの排水に対する処理法としては,フェノールなどの濃縮回収,活性炭処理,オゾン処理,などの物理化学的処理と微生物を利用する生物化学的処理,が検討されている。 この中でも最も多く検討されているのが微生物処理であり,それは経済的な観点からも有利であると考えられるからである。 しかし,石炭液化排水中にはフェノール類や芳香族アミンなどの増殖阻害物質や難分解性物質が数多く,また高濃度で含まれている。 そのため,これらの排水を円滑に微生物処理するためには,まず微生物がどの程度までこれらの化合物に対して活性を抑制されずに分解できるかを知ることが必要である。
 微生物分解性を測定する方法の一つとして,BOD-時間曲線から分解性を求めた研究が行れている。 左合らはBOD-時間曲線から各種有機物を分解性の度合いから4種の型に分類している。 また井上は,各種有機物のBOD値から,それらの化合物の分解度を対理論値の酸化率で示し,高率分解グループ,中間グループおよび低率分解グループの3群に大別している。 PitterおよびTabakらは非常に多種類の有機化合物の微生物分解性を報告し,また,米沢らと漆川らは多数のフェノール類化合物の微生物分解性を検討している。