オージェ走査電子顕微鏡

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鈴木良和
1989年11月 北海道通産情報 44(11),60-61

 ちょっと聞き慣れないでしょうが,オージェ走査電子顕微鏡(AugerSEM,又はSAM,AESとも云う)について御紹介したいと思います。
 この装置の特徴は,真空中で細く絞られた電子ビームを試料に当て,試料表面の極く薄いかつ微小領域の構成物質である原子を励起して,そこから放出されたオージェ電子を分光検出することによって試料表面の観察と同時に元素分析ができるところにあります。
 例えば,極微小領域や極薄膜表面層の分析が要求されている各専門分野では無くてはならない分析装置であり,特に品質管理部門では鉄鋼中の介在物,超LSI等の極微細な電子素子,あるいは一般金属材料の粒界偏析元素の分析等に応用され,最近の界面反応を駆使した接合技術や新素材の開発分野では幅広く利用されています。