微量の有害物質による水質の汚染
先崎哲夫
1989年2月 北海道通産情報 44(2),40-41
1974年11月,EPA(米国環境保護庁)は,米国のニューオーリンズの水道水から発がん性物質のトリハロメタンを検出したと発表しました。
このほか700種以上の有機化合物が検出され,そのうち,かなりのものは動物実験で発がん性のわかっているものでした。
その後,1978年には「飲料水の安全法」が制定され,翌1979年水道水中のトリハロメタンの最大許容濃度を100ppbに規制することとなり,トリハロメタン騒動は一段落となりました。
その後もEPAは飲料水の安全性に取り組み,半導体工場周辺の地下水からトリクロロエチレンなどの塩素系有機化合物を見出し健康への影響について注意を喚起しています。