泥炭粒子の燃焼性

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中小企業団「先端工業技術応用要覧」(s59〜60年度)抜刷
1989年3月 北海道工業開発試験所技術資料 12,204-206

 泥炭は、燃焼させると石炭に比べSOx、NOxの発生量が少なく、灰分にも有害金属が含まれておらず、燃焼性も良好なことから、環境負荷の小さい固体燃料として利用可能であるが、含水量の多いことが欠点である。 よって、経済的な脱水乾燥技術が確立されれば北海道内各地に存在する泥炭を、ローカルエネルギー源として十分活用できるものと考えられる。
 そこで本研究では、泥炭の燃焼性を木材や石炭と対比しつつ基礎的見地から把握することを目的として行ない、その結果次のような知見を得た。
1. 熱天秤を用いた実験では、泥炭、木材および石炭とも昇温速度が早いほど、また、燃料比が大きいほど着火温度は高温側に移行する。
2. 着火温度からみれば、泥炭は石炭よりむしろ木材に近い燃料である。
3. 本実験試料における炭素燃焼時の活性化エネルギーは、0.6〜1.6Kcalで炭素の燃焼は拡散律速と考えられた。
4. 単一粒子における燃焼実験では、固定炭素が大きいほど燃焼完結までの時間は長くなる。 泥炭の燃焼完結時間は石炭と同一直線で相関される。