モミガラ灰を原料とするSiCの製造

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中小企業団「先端工業技術応用要覧」(s59〜60年度)抜刷
1989年3月 北海道工業開発試験所技術資料 12,182-183

 モミガラは道内に多く産出し、その大部分が未利用である。 しかし、空気中で焼成して得られるモミガラ灰は生の約15%を占め、かつ非常に純度の高いシリカ(96%以上)からなり、また活性な状態で得られるという特徴をもっている。 このことから当研究室では、このモミガラをシリカ源として用い、SiC、Si3N4などの各種セラミックスの合成を行っている。 このうち本実験はSiCの合成について述べ、その場合の焼成温度、ガス流量の影響などについて報告する。
 実験を要約すると、不活性ガスの中で焼成したモミガラは炭素とシリカを主成分とする灰となる。 これを原料にしてアルゴンガス雰囲気の高温下で焼成することにより、純度の良いβ-SiCが得られた。 この場合キャリアーガスは流通した状態で合成するのが良く、また窒素ガスを使用するとα-Si3N4が生成し、β-SiCの生成は僅かであった。
 以上の結果、モミガラ灰はSiCの合成原料として使用でき、また生成物の性状に特徴があることから、これまでに市販されているSiCとは異なっている点がある。