フライアッシュの繊維化試験
中小企業団「先端工業技術応用要覧」(s59〜60年度)抜刷
1989年3月 北海道工業開発試験所技術資料 12,158-161
本実験では石炭灰(フライアッシュ)を利用してガラス繊維を製造することを目的として、フライアッシュに融点降下剤(アルカリ土類成分)を調合、溶融、ガラス化し、溶融灰の粘性、紡糸温度、繊維の引張強度について検討した。
その要点はフライアッシュ、酸化カルシュウム、酸化マグネシュウムを基本成分としてガラス化試験、粘性試験、繊維化試験を行い、以下の結果を得た。
(1) ガラス化は(フライアッシュ-CaO-MgO)の組成(%)(50-25-25)を除く組成が可能であり、フライアッシュ80%、70%の組成が容易であった。
(2) 酸化カルシュウム、酸化マグネシュウムの添加による粘性低下は約30%が最大であった。
(3) 長繊維化は1.085〜1.315℃においてフライアッシュ90%,80%の組成が可能であり、前と同様の表示で(90-5-5)、(80-10-10)、(80-5-15)が容易であった。
(4) 得られたガラス繊維の平均的特性は直径15.3μm、張力140.4kg/mm2、弾性率6335kg/mm2であった。