流動層熱交換機
中小企業団「先端工業技術応用要覧」(s59〜60年度)抜刷
1989年3月 北海道工業開発試験所技術資料 12,156-157
寒冷地におけるヒートポンプ利用の重要性について種々指摘されている。
しかし、温暖な地域で広く一般に用いられているフィンチューブタイプの蒸発器を寒冷地で用いると、蒸発器の伝熱面に着霜がおこり、伝熱係数を下げ成績係数の低下は不可避である。
従って、どのような蒸発器を用いて着霜に対処するかが、ヒートポンプの寒冷地での適用の大きな鍵である。
固気接触装置として広く用いられている流動層は次のような熱的特性を有している。
(1) 粒子とガスの温度が等しく、層内がほぼ均一な温度に保たれる。
(2) 伝熱面における伝熱係数が大きい。
(3) 層内へ伝熱面を容易に挿入できる。
(4) 層内の温度制御が容易である。
以上の諸特性を利用して、流動層は熱交換器として広く用いられている。
ところが、流動層熱交換器の持つ欠点もある。
すなわち流動化粒子により内挿物が摩耗をうけることである。
本研究は、この摩耗のエネルギーを利用して伝熱管に成長する霜をこすり取り、無着霜状態で高い伝熱係数が得られるような流動層熱交換器の開発を目的としている。