木質系廃棄物の熱分解ガス化・発電技術
中小企業団「先端工業技術応用要覧」(s59〜60年度)抜刷
1989年3月 北海道工業開発試験所技術資料 12,132-133
この研究は、フィリピンに多量に存在する未利用の有機系廃棄物を、流動層方式で直接燃料に転換し、その生成物の有効利用を図ろうとするものであった。
調査研究の結果、廃棄物資源としては、鋸屑、コイヤーダスト、コプラミールなどが有望であること、燃料への転換方式として、低温の熱分解による炭化物、油、ガスの製造よりは、空気吹込みによる高温の熱分解によるガス化の方が有利であること、などが明らかにされた。
このガスは、もちろん直接燃焼してそのまま熱源として利用できるが、フィリピンの国情からみて、ガスエンジン発電機の燃料として利用するシステムの方が適切であることが明らかにされた。
そこで、上記の廃棄物から製造されたガスを用いて小型のエンジンテストを実施したところ、低カロリー(1,000〜1,100Kcal/Nm3)のガスでも助燃料なしで十分エンジンを安定的に運転でき、発電可能であることを実証した。