Fe,Co,Ni金属の還元雰囲気下での硫化、塩化腐食

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中小企業団「先端工業技術応用要覧」(s59〜60年度)抜刷
1989年3月 北海道工業開発試験所技術資料 12,116-117

 近年、石油系重質油の直接脱硫プロセス、石炭液化プロセス等の技術が開発されてきている。 これらのプロセスは、前者では、H2を添加し、重質油中のS、Nを取り除き、良質の軽質油を得ようとするものである。 後者は、固体石炭に、H2を添加し、液体燃料を得ようとするプロセスであり、反応条件は、400〜500℃、H2圧力29.4MPaである。 これらのプロセスの副産物として、前者では、H2S、NH3、後者では、H2S、NH3、HClが生成する。 特に、石炭中にはSが5wt%、Clが0.29wt%も含まれているものがあり、還元雰囲気下でのH2S、HClによる腐食が大きな問題となっている。 したがって、これについては、すでに多くの報告が出されている。 しかしながら、H2-H2S系では、低温域(〜600℃)での腐食拳動についての報告は、あまり見ることができない。 さらにH2-HCl混合雰囲気での研究も少ない。
 本研では、これらのガスの還元雰囲気下での硫化、塩化腐食挙動の基礎的な知見を得るために、Fe、Co、Niの400〜1000℃のH2-H2S(2%)、H2-HCl(2%)下での硫化、塩化腐食拳動を、速度、スケールの組成、形態について、熱天秤、X線回析装置、走査型電顕、X線マイクロアナライザー、オーヅエ電子分光装置などを用いて検討した。