スパイクタイヤの低公害化対策について
中小企業団「先端工業技術応用要覧」(s59〜60年度)抜刷
1989年3月 北海道工業開発試験所技術資料 12,80-81
積雪寒冷地域において、自動車安全確保のため使用されているスパイクタイヤが、道路破壊とそれによる車粉公害を引き起している。
道路破壊は道内だけで年間300億円の損失であり、道民一家族当り、一年間に2万円もの税金がスパイクタイヤのあと始末に使われている。
また車粉公害はじん肺等、人体に与える影響は大きく、社会問題となっている。
我が社は、雪国の地場企業として、この問題を解決したいと考え、新しい低公害型のスパイクタイヤの開発研究を行なっているが、北海道工業開発試験所で研究されている低公害スパイクタイヤについて技術指導を受けている。
スパイクタイヤを装着した自動車が、氷雪道路と舗装道路を走行した場合に、スパイクタイヤのスパイクピン突出力、突出量が自動的に氷雪路面では大きく、舗装路面では小さくなるように調節でき、道路破壊と車粉公害の少ないスパイクタイヤの研究について指導を受けている。
上述の技術指導の結果、低公害スパイクタイヤを装着して実走し、データー収集を行なっているが、北海道工業開発試験所の指導によって、研究効果が促進され今後の開発研究に見通しが出て来た。
これからの技術指導にも期待を寄せている。