寒冷地における工場排水の高度処理(単位装置)
中小企業団「先端工業技術応用要覧」(s59〜60年度)抜刷
1989年3月 北海道工業開発試験所技術資料 12,62-63
寒冷地における水処理に対して抜本的研究と技術開発を早急に行う必要がある。
研究開発の具体的目標は、(イ)処理水の水質をBOD 10mg/l、NH3-N 2mg/lおよびPO4-P 0.2mg/l、それぞれ以下とする。
(ロ)処理方式は微生物処理を主体とし、水処理施設は屋外に設置し得るものとする。
そのために装置の占有空間を出来る限り小さくするよう立体かつコンパクト化し、また熱損失を防止するため可能な限り密閉構造とするなど、従来の開放池型平面構造に代わるいわば塔構造の装置構成からなるプロセス開発を主眼とする。
上記の目標に沿う高度処埋プロセスとして、次の単位処理による構成が提案された。
原水→(1)疎水性媒体接触式油分分離処理→(2)多段曝気式活性汚染処理→(3)吸着剤を併用する微生物脱窒処理→(4)脱リンろ過処理 ここではそのうち(1)と(2)について紹介する。
(1)は、エマルジョン状に分散した油分を含む排水を疎水性媒体(ポリエチレンや人造ゴム等を粒状にしたもの)に接触させることにより、媒体表面に微細油分粒子を附着合一させ、大きな油滴に成長させて浮上分離する原理に基づいている。
(2)は、従来主として開放面の大きい池型曝気槽を用いて行っている活性汚泥処理を、多数の目皿で仕切りをつけて多段化したカラム型曝気槽中て行わせるもので、これにより反応効率の増大、装置のコンパクト化および熱損失の防止等を計る。