シラスバルーン製造法

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中小企業団「先端工業技術応用要覧」(s59〜60年度)抜刷
1989年3月 北海道工業開発試験所技術資料 12,56-57

 シラスバルーンは火山灰を原料とした0.1mm以下の微細な中空ガラス球で九工試において発明されたものであるが、その工業化について、中心となる焼成装置には北開試で開発された流動層方式が採用されている。
 火山灰中のガラス質のものがバルーン化するメカニズムは別としても、バルーンを製造する条件は、900℃程度の高温で急速に焼成することも九工試の諸研究で明らかなところである。 従って、そのような焼成条件を与えるために、いろいろ装置が考えられる。 例をあげれば、キルンあるいは電気炉、あるいは気流吹き飛ばし型等である。 そして、流動層型もそのひとつである。
 凡そどんな装置でも、一長一短があり、幾つかの考えを組合せて、なるべく長を採り、短を棄てるより方法がない。 ここに流動層型をとりあげてみても、大きく分けて、濃厚流動層と、稀薄流動層がある。 この場合前者であれば、バルーン化するときにガラス質が溶融軟化するので、相互の融着がおきて、満足なバルーンがつくれないのみか、流動層の運転すら続けられないであろう。 また、後者であれば、適切な温度パターンを与えることは一般に困難である。 そうすると、この両者の結合、即ち適切な焼成温度あるいは温度パターンを与えるものとしての粗大粒子にする濃厚流動層を形成し、一方焼成される火山灰原料は、相互融着を避けるため稀薄系にすればよい。 この組合せがここで採用したバルーン製造用流動層の考え方である。