高効率の吸収装置(模型攪拌槽)

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中小企業団「先端工業技術応用要覧」(s59〜60年度)抜刷
1989年3月 北海道工業開発試験所技術資料 12,54-55

 気液接触反応装置は従来から工業的に利用されているものの他、新しく開発されているものも含めて数多くあるが、これらの装置の特性が明らかにされているものは非常に少ない。 したがって、悪臭のようなガス中の微量成分の反応吸収除去に使用する場合、プロセス上の諸間題の解析、予測ができ難く、また、実用装置の設計基準があいまいである。
 当所では、上記のような点に留意して、横型攪拌槽と呼ばれる気液接触反応装置を手がけている。 これは、横型円筒内の水平回転軸に固定した攪拌翼により、流体を接触させ、物質移動操作を行わせる回転式気液接触装置の一種である。 実験装置は次に掲げるような特長をもっていることがわかった。 すなわち、1)高速に回転する攪拌翼によって、槽内のガスを吸収液中に巻き込み、微泡にすると同時に、液の一部は滴状となり槽内に分散し、槽内に乱流攪乱状態が形定されるので、気液接触面積が非常に増大し、また、表面更新速度が大きくなるため、拡散律速である気-液系の物質移動には極めて有効である。 また、反応系に固体粒子が懸濁する場合ならびに高粘性液の吸収液のときにも有効である。 2)気、液ともに操作条件に支配されないホールドアップおよび滞留時間を選び得ること。 3)ガス側の圧力損失が小さいこと、などである。