プラズマ発光分析装置(ICP)による石油中のバナジウム、ニッケルの定量

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中小企業団「先端工業技術応用要覧」(s59〜60年度)抜刷
1989年3月 北海道工業開発試験所技術資料 12,40-41

 出光興産(株)北海道製油所は、北海道・東北地区に石油製品を安定供給するために、国内4番目の製油所として、昭和48年苫小牧市に完成し稼働をはじめた。 最近では59年10月に重質軽油水素化分解装置が完成し、白灯油増産に力を入れている。
 当時、昭和59年に稼動する予定の重質軽油水素化分解装置は、重質軽油を原料油とするが、その油中に含有されるバナジウム、ニッケルが触媒毒となるため、これらの含有量を0.1ppmレベルまで精度よく定量する必要があった。 そこで出光興産中央研究所が開発した分析方法を基に、ICP分析装置により重質軽油中のバナジウム、ニッケル分試験法の測定条件を検討すべく、すでにICP分析法に技術をもつ、北海道工業開発試験所に技術指導を仰いだ。
 ICP分析装置による測定は、試料の粘度によって吸上量が変化するので、その粘度調整が問題となる。 試料が水溶液であれば問題にならないが、重質軽油中のバナジウム、ニッケル分を水溶液試料にするには、灰化処理など操作に長時間を要するので溶媒に希釈して直接測定するための最適条件について指導を受けた。