石炭直接液化反応器吹込み部近傍における流動と伝熱特性に関する考察

問合わせ ひとつ戻る DB入口へ トップページへ

井戸川清/ 池田光二/ 福田隆至/ 成田英夫/ 前河誦典/ 千葉忠俊/ 諸岡成治
1988年5月 燃料協会誌 67(5),314-321

 石炭液化反応は,高温(約400℃〜450℃)で石炭粒子と配合油の混合スラリーを高圧(約200〜300気圧)の水素ガスと接触させる強度の発熱反応であるので,熱操作や気液固三相の混合操作を誤れば,残渣粒子蓄積や反応暴走,コーキングなど,運転停止をまねく重大なトラブルを引き起こす危険がある。 通常,液化反応器内の固体粒子径は10μm程度なので,スラリーは均一相流体と見なすことができる。 しかし,液化反応系では空気-水系の気泡塔に比べると,気泡同志の合一が超こりにくく,気泡はほとんど成長しない。 そのため,反応器底部で一旦微小気泡が生成すれば塔全体の流動状態は均一気泡流動状態となって,物質移動と伝熱特性が不十分になると考えられる。 石炭直接液化反応器の分散器としては,水素と石炭・配合油のスラリーを同時に吹き込むためのノズルが比較的多く用いられている。 そこで本研究では,上記の問題点を明らかにする研究の第一段階として,気液同時吹き込みノズルを用いた直径0.5mの半円筒型気泡塔コールドモデルにおいて,流動および伝熱特性に及ぼす操作および装置因子の影響を調べた。 また,これらの結果に基づいて液化反応器底部の伝熱についてシミュレーションを行った。