マイクロカプセルの製造と応用

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石橋一二
1988年12月 北海道通産情報 43(12),42-43

 マイクロカプセル(カプセル)は,すでに医薬,工業等の分野に応用され,これについての総説も出されています。 本稿では医薬品,医療分野で利用されている薬用炭を用いたマイクロカプセル化について紹介します。
 薬用炭は,第10改正日本薬局方(日局10)で強熱残分,重金属含有量,吸着性能等が厳密に規定されています。 通常の活性炭と比較して性能はほぼ同じです。 さて,この薬用炭や活性炭は近年,寝たきり患者の汚物臭除去用として活性炭布,活性炭紙あるいは病院内の処置室の空気浄化等にも使用されています。 また人工臓器の補助吸着剤としてヤシ殻活性炭を用いたライフテストや,活性炭をコロジオン膜で被覆したカプセルにアルブミンを吸着させ,多量に体内に入った毒物を血液から除去するなどにも用いられています。 ここでは粉末状の薬用炭を芯物質とした液中乾燥法を用いた含薬用炭カプセルの製法と,そのカプセルの性能について延べます。 また,カプセルの応用として薬用炭にアスピリン等を吸着させた,徐放型マイクロカプセルについても一部紹介します。