松前産滑石の開発利用技術に関する研究
-松前産滑石鉱床の特性-

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植田芳信/ 下川勝義/ 関口逸馬/ 藤垣省吾/ 山口義明
1988年3月 北海道工業開発試験所報告 45,1-11

 北海道松前地区から産する滑石は古くから知られており,その生産高も相当なものであった。 それは良質鉱を主体にして採掘されたものであり,なおかつ未選のまま利用されていた。 このことから近年同地区滑石鉱床は全体として枯渇状態にあると言われており,新しい鉱床の開発と,それと並行してこれまで利用されないで放置されて来た低品位滑石鉱の利用を図ることが望まれている。
 そこで北海道開発庁はそれを特定鉱床開発促進地区と定め,地質・鉱床賦存状態の調査を昭和57年度から昭和59年度の間,関係機関との協力を得て重点的に行った。 そして当所はこれより一年遅れて昭和58年度から昭和60年度の間,特別研究として当該鉱石の利用の試験研究を分担し進めた。
 それらのうち本章は松前産滑石鉱床全体の概要と北海道開発庁が行った鉱床調査結果の概要ならびに利用を図る上での基礎資料となる採取鉱石の性状試験結果についてとりまとめた。