熱重量法による石炭液化油の蒸留試験法
長谷川義久/ 吉田忠/ 成田英夫/ 前河涌典
1987年10月 燃料協会誌 66(10),855-860
石炭液化油の蒸留性状測定に対する熱重量法の応用はMondragonらによって試みられた。
この方法では試料セル上部に毛細管を設置し,留出を制御した結果,石油系のみならず石炭系油についてもASTMD-2892の結果とよく一致することを認めている。
しかしこの方法では試料量が10mg位と少量である。
石炭液化原油のように,固形物を多量に含有し均質なものが得がたい試料で,良い再現性を得るためには,より多くの試料量を処理できる分析装置が必要と考えられる。
本報告では真空理工(株)製伝熱型熱量天秤(TGCC-700)を石炭液化油の蒸留性状測定に適用し,簡便で定量的な方法の開発を試みた結果について述べる。