含油スラッジ廃棄物の流動層による無公害燃焼処理技術
細田英雄/ 出口明/ 武内洋/ 三浦正勝/ 鈴木智/ 平間利昌
1987年9月 燃料協会誌 66(9),791-797
筆者らは,含油スラッジ廃棄物の有効利用と無公害処理のためのプロセス開発の研究を行っており,熱分解による油分回収プロセスに関する結果は前報で報告した。
本報では,劣質なスラッジならびに熱分解プロセスからの排出物等を流動層方式で無公害燃焼するためのプロセス開発に関する研究結果を報告する。
ここで対象としている含油スラッジ廃棄物は発熱量が3,000〜3,500kcal/kg程度の劣質なもので,硫黄ならびにタンカーなどの海水洗浄に起因すると考えられる塩素を高濃度に含んでいる。
したがって,プロセス開発にあたっては現在使用されているロータリーキルン法のように助燃油を付加しなくても安定な連続燃焼操作が可能であること,ならびに燃焼排ガス対策,特にSO2とHCl発生量の低減化をはかること,などを重視した。