低温メタン発酵
松山英俊
1987年8月 北海道通産情報 42(8),44-45
メタン発酵は,省エネルギータイプの有機性廃水,廃棄物の処理技術として注目されており,アクアルネッサンス(通産省),バイオフォーカス(建設省)等の国家プロジェクトの中核技術の一つに位置付けられている。
メタン発酵により,下水,し尿,産業廃水,家蓄ふん尿等から回収可能なエネルギー量は,我国のエネルギー総需要の2.4%に当る大きな値になると試算されている。
メタン発酵は,中温発酵(36℃付近)や高温発酵(50℃以上)が行われてきている。
しかし,気温が低い地域でメタン発酵を行うには,工場廃熱等を利用する場合を除いて,発酵槽を加温するためのエネルギーを多く要するという難点がある。
それゆえ,中温発酵より低い温度域でメタン発酵を効率良く行うための研究は重要であり,各国で研究を行い始めた。