ITIT国際シンポジウムを終えて
池畑昭
1987年1月 北海道通産情報 42(1)66-67
このシンポジウムは,通商産業省工業技術院国際研究協力課(ITITはその略称)が担当する種々の国際研究協力事業のうち,主に開発途上国を対象にしたもので,工業技術院所属研究機関との共同研究を実施中,或は終了した相手国研究機関を主なゲストとして招へいし,当面する共通の問題や各国の現状を話し合い,研究の啓蒙と国際交流を図るのが目的である。
ちなみに当所ではフィリピン国立科学技術研究所と10年以上に亘る共同研究実績があり,既にフィリピン産未利用木材からの活性炭製造法,農産廃棄物のガス化発電に関する研究を終了し,現在,同国産白雲石灰岩と籾殻を原料とする緩効性肥料の製造に関する研究を実施している。
このような経緯から,従来筑波で開催していた国際シンポを今回当所が幹事となり,初めて地方で開催することとなったわけである。
参加国は中国,韓国,マレーシア,タイ,インドネシア,フィリピン及びわが国である。
発表内容は主に実用化の段階,或は可能性の高いバイオマスの利用に関するものが多く,それぞれのお国柄を反映した興味深いものであった。
次ぎにその概要を紹介する。