泥炭粒子の燃焼性

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細田英雄/ 山田勝利
1987年3月 北海道工業開発試験所報告 42,23-29

 泥炭は,燃焼させると石炭に比べSOx,NOxの発生量が少なく,灰分にも有害金属が含まれておらず,燃焼性も良好なことから,環境負荷の小さい固体燃料として利用可能なことがわかったが,含水量の多いことが欠点である。 しかし,脱水乾燥技術が確立されれば北海道内各地に存在する泥炭を,ローカルエネルギー源として十分活用できるものと考えられる。
 ところが,泥炭の燃焼性については,その基本的な現象が明らかにされていない。 泥炭の燃焼のように熱分解も伴った燃焼に類するものとして,例えば,石炭などについては,単一粒子を対象試料として燃焼性が検討されているのに対して,泥炭そのものについての検討例はこれまで殆んどみあたらない。
 そこで本研究では,泥炭の燃焼性を木材や石炭と対比しつつ基礎的見地から把握することを目的とした。 すなわち,熱天秤装置を用いて燃焼性や速度論的検討を,また,透明な小型流動層装置を用いて燃焼状態を目視観察した結果を報告する。