石炭液化反応の化学

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吉田諒一
1987年1月 北海道工業開発試験所報告 41,34-49

 石炭の液化反応機構に関連して反応条件(温度,圧力,溶剤. 触媒)により生成油がどのように変化するのか,その機構および炭種による相違等について総括的に検討した。 液化反応機構に関する考察から,液化反応の大筋は,(1)初期段階における早い熱反応とそれに続く,(2)律速となる比較的ゆるやかな軽質化反応の2つからなっているものと考えられた。 既に検討されたあるいは開発中の液化プロセスを,(1)初期段階の熱的反応とその後の軽質化反応を触媒の存在下に単一の反応器で同時に行なう場合を一段階液化法,(2)初期段階の熱的反応と触媒存在下での軽質化反応を別々の反応器で連続的に行なう場合を二段階液化法,とに分類し,これら2つのカテゴリーの液化法について反応条件と生成油の性状との関連について概説した。