ココナッツ油の接触分解による石油代替燃料の製造

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Arida,V.P./ Usita,M.T./ Angeles,M.L./ Hernandez,C.L./ Manalo,L.A.
1987年2月 北海道工業開発試験所技術資料 11,2,10-10

 フィリピン国では石油代替エネルギー開発の一つとしてバイオマス基盤技術の研究を行っている。 本研究はフィリピン国の主要農産物であり輸出品であるココナッツ油を接触分解し,各種燃料を得るための最適操業条件および触媒の選択,または生成した代替燃料の性状試験およびその改質の方策などについて検討を行ったものである。
 ココナッツ油の接触分解は実験室規模および容量50リットルのプレパイロットプラント規模の装置により行った。 反応器の温度条件は300〜450℃であり生成油はアルカリと水によリ洗浄ののち脱水工程を経てガソリン,軽油およびディーゼル燃料に分留した。 生成ガスは計量ののちGCによリその組成を測定した。 またディーゼル燃料についてはLister空冷ディーゼルエンジンを使用し性能テストを行った。
 最適触媒の探索は32個について予備実験を行った結果,酸化カルシウム,鉄,塩化アルミニウム,酸化鉄および水酸化ナトリウムの5種が触媒として適していることが明らかとなった。 また接触分解実験を温度300〜400℃,反応時間11〜20hrの各条件で行ったところ生成物の収率平均65.67%,飽和炭化水素含有量は18〜48%であり,触媒として4%の水酸化ナトリウムを使用したときに最高の収率を得た。