フライアッシュを原料とするク溶性けい酸カリ肥料の製造
本間専治/ 田崎米四郎/ 弓山翠/ 河端淳一/ 三井茂夫
1986年2月 燃料協会誌 65(2),131-135
これまでの市販のカリ肥料はすべて水溶性であって灌水や降雨などによる溶脱流失が多く,肥効の永続性と経済性に問題があった。
そのうえわが国はカリ鉱石をすべて輸入に頼っていることもあって,以前から肥効が永続的なク溶性カリ肥料が強く求められていた。
フライアッシュを原料とするク溶性カリ肥料はこれらの点を満足するが,焼成法に未解決な点があり実用化には至らなかった。
すなわち,これまで電気炉,回転炉などによる焼成法が試みられてきたが,大量生産に適さない,製品にむらが生ずるなどの難点があった。
そこで本研究では原料に微粉炭を添加し,その燃焼熱によって焼成を行う流動焼成法を試み,工業化の指針となる知見を得たので報告する。