籾殻と先端産業のかかわりあい

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奥谷猛
1986年10月 工業技術 27(10),34-35

 籾殻は,稲作にともなって排出され,その量は,国内で年間260万ton(1981年度,もみ米生産量1280万tonの20%がもみがらである。 )に達する。 籾殻は,元来腐りにくく,堆肥等田畑に還元することが出来ず,未だかって有効利用はされていない。 主に燃料として利用が検討されている。 籾殻を燃焼させた場合,籾殻の約20%が灰分として得られる。 この灰分は,90-95%のシリカを含んでいる。 いま,著者は,籾殻中のシリカを高純度化し,先端産業の原料に供する研究に従事しているが,この仕事についての簡単な紹介と共に,籾殻という自然が作り上げたものを対象として,仕事を進めていく過程で,感じたことを述べてみたい。