寒冷地用ヒートポンプの研究開発
福田隆至
1986年5月 北海道通産情報 41(5),50-51
我が国では米国と並んでヒートポンプの普及台数が非常に多くなっています。
しかし,主な普及地は,暖房に要する必要エネルギー量の指標である暖房度日(D18-18)で表すと2,500℃・day以下の地域(北関東以南)であり,冷暖房両用のルームエアコンが多くなっています。
他方,寒冷地では熱源温度が一般に低く,適切な熱源が少ないために暖房用ヒートポンプの使用は極めて限られており,開発するべき技術的課題も多々あります。
当試験所では59年度から,工業技術院ムーンライト計画の中で行われている「スーパーヒートポンプ・エネルギー集積システムの研究開発」の一環として,寒冷地用ヒートポンプの開発に着手しています。
この度,空気を熱源とする寒冷地用圧縮式ヒートポンプの要素技術に関する調査と研究開発課題の抽出を行ない,報告書にとりまとめましたが,ここにその概要を紹介します。