泥炭の利用技術
細田英雄
1986年4月 北海道通産情報 41(4),52-53
泥炭は石炭の分類上,褐炭より若く,劣質なものとして余り利用されることはありませんでした。
しかし,泥炭地も戦後の復興を支えるため,食糧基地としての大規模な農業基盤整備事業が行われ,排水と客土によって水田化などがされましたが,表土の下に泥炭層がほぼそのまま広がっています。
そのため,戦後40年をむかえた今日,その使命を終り,特に札幌圏では,全道人ロの25%が集中しており,産業育成,住宅地供給などに対する要求が強まっています。
そのため,市街化調整区域になったところでは,地盤が軟弱なため,土石を上乗せし固めて宅地造成などを行っていますが,これでは,有効資源である泥炭を未利用のまま永久に眠ってしまうことになります。
これらの地域が再び新しい社会的使命を果すには,泥炭そのものに焦点をあてた抜本的な対策が必要になっています。
そこで,これまでの泥炭の利用法について触れてみたいと思います。