SBR入りアスファルトの剥離試験
広木栄三
1986年3月 北海道工業開発試験所報告 39,31-39
アスファルトの大部分は,道路舗装用バインダーや建築物の防水関連材に利用されている。
それは粘着性,水密性が優れているためである。
しかし,低温で脆く高温で流動し易い等,感温性に欠点がある。
モータリーゼーションの発展に伴って重車輌が増加したため,路面が荷重と温度により塑性流動を起こして,輪だちができ安全走行上問題になっている。
また,寒冷地道路においては,スパイクタイヤおよびタイヤチェンによる舗装路面の摩耗を軽減する目的で,粗骨材を高配合した舗装が行なわれているが舗装用バインダーとしての高強度,耐久性が求められている。
アスファルトにゴムを添加すると,感温性では,流動抵抗,低温脆化および軟化点の向上,レオロジカルな特性の面では,把握力,粘着力,伸度および弾性が改善されるが,剥離性についての評価はまだ明らかにされていないため,耐久性の上で問題となっている。
本研究では,SBR(スチレン-ブタジエンゴム)入りアスファルトを作成して水雰囲気中におけるドラム回転式剥離試験および落下衝撃式剥離試験を行い,その剥離性について検討した。