多孔体の細孔構造に関する研究
山本光義/ Parkash,S./ 鈴木良和/ 小谷川毅
1986年3月 北海道工業開発試験所報告 39,1-23
多孔体は,分子篩,触媒,セラミックス,各種吸着剤等に利用されている工業的に重要な物質である。
しかし,ゼオライト等を除いたこれら多孔質物質の細孔構造についての検討は十分なものとは思われない。
まして,細孔構造を制御し,思い通リの細孔を作り出すことは,ある種の例を除いて,ほとんど不可能に近いと捉えるのが現状であろう。
我々は各種の金属酸化物触媒を取扱う中で,触媒調整法と細孔構造との関係にも関心を持っていたので,研究の一端をその方にも向けてきた。
その結果は,Bull,Chem.Soc.Japan,47,954(1974),Applied Catal.,1,185(1981),Metallurgical Trans.,12B,691(1981),Fuel Processing Tech.,5,203(1982),日本化学会(函館)要旨集,A22(1983),日特願58-34254,に既発表であるが,ここでは,これら既発表の結果を総括し,多孔体に関する今後の研究の一助にしたいと考えている。