石炭灰の燃焼過程における残渣の活性化処理技術に関する研究
-1.3 石炭灰の溶融性-

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鵜沼英郎/ 武田詔平/ 佐山惣吾/ 伊藤三郎
1985年12月 北海道工業開発試験所報告 37,13-15

 前章では石炭灰の化学組成,鉱物構成とその温度変化および融点について調べ,報告した。 これらのうち石炭高度利用プロセスにおいて特に求められているのは,化学組成と溶融性との相関である。 例えば石炭ガス化等の分野において灰の溶融性に関する知見が不十分であることは,クリンカートラブル等種々の操業上の支障の原因になる。
 しかし,灰の溶融性を支配する因子についてはこれまでにも多くの研究がなされてきたにもかかわらず十分に解明されていない。 これまではその因子として,例えば酸-塩基度などが考えられてきたが,それと融点との良好な相関もまだ得られていない。
 本報ではまず,国内外24炭種の灰のモデル試料の示差熱分析結果から,石炭灰の融点付近の物理および化学的変化を推定した。 また鉱物組成を考慮することによって石炭灰の融点を予測するための指針を得た。